遅漏改善に必要な7つの治療法
"なかなか射精できない…" "パートナーを疲れさせていないか不安になる…" "射精しようと焦っているうちに、勃起が続かなくなってしまった(中折れ)…"
このような「遅漏(ちろう)」に関するお悩みはありませんか?
はじめまして。京都烏丸バッファローEDクリニック院長の栗本浩行です。私はED治療の専門家として、日々多くの男性のお悩みに向き合っていますが、遅漏もまた、射精に関する深刻な悩みのひとつです。
ご安心ください。遅漏は、その原因を正しく理解し、ご自身に合った適切な対策や治療を行うことで、改善が期待できる症状です。
この記事では、遅漏の3つの主な原因タイプと、それぞれに応じた7つの具体的な治療法について、専門医の立場から徹底的に解説します。この記事を最後までお読みいただくことで、射精に対するストレスから解放され、あなたとパートナーの性生活がより快適で充実したものになるための一助となるはずです。
遅漏とは? - もしかして自分も?と感じたら -
遅漏の定義
遅漏とは、医学的には「本人の意図に反して、射精が著しく遅延する、または射精に至らない状態」を指す射精障害の一種です。
多くの場合、マスターベーションでは問題なく射精できるのに、パートナーとの性行為の時だけ射精が困難になる、という特徴があります。この状態がさらに進行し、膣内での射精が全くできなくなると「膣内射精障害」と診断され、不妊の直接的な原因にもなり得ます。
遅漏に「何分以上」という明確な基準はない
早漏には「1分以内」という国際的な基準がありますが、遅漏には明確な時間の基準はありません。 なぜなら、射精までの時間そのものよりも、その状況に対して本人またはパートナーが心理的な苦痛を感じているかどうかが重要だからです。
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男性側の苦痛:「早く射精しないと…」という焦り、パートナーへの申し訳なさ、気まずさ
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女性側の苦痛:「私が魅力的じゃないのかな…」という不安、長時間の性行為による身体的な疲労
たとえ射精までの時間が長くても、お互いがその時間を楽しめているのであれば、それは遅漏ではありません。しかし、どちらか一方でもストレスを感じているのであれば、それは改善を目指すべき「遅漏」と言えます。
ちなみに…女性が理想とする挿入時間は?
ある調査によると、女性が理想とする挿入時間の平均は9.7分でした。多くの女性は、必ずしも長時間の性行為を望んでいるわけではない、ということも知っておくと、少し気持ちが楽になるかもしれません。
遅漏で悩む男性は決して少なくありません
遅漏は決して珍しい悩みではありません。ある調査では、成人男性の**約6.6人に1人(15.2%)**が、ご自身のことを「遅漏である、または遅漏気味だ」と認識しているという結果が出ています。
遅漏の3つの原因タイプ
遅漏の治療法は、その原因によってアプローチが異なります。ご自身がどのタイプに当てはまるかを知ることが、効果的な改善への第一歩です。
1. 鈍麻性(どんませい)遅漏
原因:不適切なマスターベーション 遅漏の原因の約7割を占めるとも言われるのが、このタイプです。膣内での刺激とはかけ離れた、非常に強い刺激のマスターベーションが習慣化することで、亀頭や陰茎の感度が鈍化(鈍麻)し、実際の性行為の刺激では射精に至らなくなってしまう状態です。
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不適切な自慰行為の例
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強すぎる握り圧(強グリップ)
膣の圧とは比べ物にならない強い力で握りしめる。 -
速すぎるピストン運動
実際の性行為では不可能な速さでストロークする。 -
床オナ・圧迫オナ
布団や枕に陰茎を押し付けて圧迫する。 -
振動オナニー
電気マッサージ機などの強い振動で刺激する。
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2. 衰弱性(すいじゃくせい)遅漏
原因:加齢や身体機能の低下 加齢、疲労の蓄積、生活習慣の乱れなどにより、勃起力や射精に関わる身体機能が低下することが原因で起こる遅漏です。勃起力が不十分(EDを併発)だと、性行為を維持するための体力的な消耗が激しくなり、射精に至る前に疲れてしまったり、中折れしてしまったりします。40代以降の男性に多く見られます。
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主な要因
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基礎体力の低下
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勃起力の低下(ED)
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神経機能の低下
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男性ホルモン(テストステロン)の減少
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3. 心因性(しんいんせい)遅漏
原因:心理的なストレスやプレッシャー 「射精しなければ」という過剰なプレッシャー、妊活の義務感、過去のトラウマ、パートナーとの関係性の問題など、心理的なストレスが原因で起こる遅漏です。ストレスは自律神経のバランスを乱し、射精をコントロールする脳の働きに影響を与えます。勃起不全(ED)の原因にもなるため、注意が必要です。
【原因別】遅漏を改善するための7つの治療法
原因タイプ別に、具体的な7つの治療法をご紹介します。
鈍麻性遅漏の方向け
治療法①:医学的に正しいマスターベーションの実践
鈍麻性遅漏の改善には、まず原因である不適切なマスターベーションの習慣を見直すことが不可欠です。実際の性行為に近い、弱い刺激で射精するトレーニングを意識的に行いましょう。
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握る力:卵を優しく握るくらいの弱い力で。
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ストロークの速さ:実際の性行為での腰の動きをイメージした、ゆっくりとした速さで。
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姿勢:性行為の時と同じように、足を曲げた状態で行う(足ピンNG)。
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その他:ローションを使い、潤滑を良くする。
治療法②:行動療法「ストップ&スタート法」
射精のタイミングを自分でコントロールする感覚を養うためのトレーニングです。
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セマンズ法:マスターベーション中、射精しそうになったら一度動きを完全に止め、興奮が鎮まるのを待ちます。これを数回繰り返してから射精します。
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スクイーズ法:射精寸前で動きを止め、さらに亀頭のすぐ下を指で数秒間強く握り、強制的に射精感を鎮めます。
治療法③:セルフケアグッズ「マスターベーション・エイド」の活用
正しいマスターベーションが難しい、トレーニングが続かないという方には、ゲーム感覚で取り組めるセルフケアグッズの活用も有効です。TENGAヘルスケア社が開発した**「MEN'S TRAINING CUP」**は、刺激の異なる5種類のカップを段階的に使用することで、弱い刺激に慣れていくトレーニングができます。ある研究では、膣内射精障害の患者の75%がこの製品内で射精に成功したと報告されています。
衰弱性遅漏の方向け
治療法④:ED治療薬(バイアグラなど)
衰弱性遅漏は、勃起力の低下(ED)が大きく関わっています。バイアグラなどのED治療薬を使用し、硬くしっかりとした勃起を維持することで、性行為中の肉体的な消耗や中折れの不安が軽減され、射精に至る余裕が生まれます。まずEDを治療することが、遅漏改善への近道となります。
治療法⑤:ヨヒンビン(サプリメント・医薬品)
ヨヒンビンは、アフリカ原産の植物ヨヒンベの樹皮から抽出される成分で、古くから催淫効果や精力増強効果があるとして知られています。交感神経を刺激し、性的興奮を高めることで射精をサポートする効果が期待できます。国内での供給は不安定ですが、サプリメントとして個人輸入サイトなどで入手可能です。
治療法⑥:漢方薬「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」
補中益気湯は、「気(生命エネルギー)」を補う漢方薬として知られ、虚弱体質、疲労倦怠、体力低下などに用いられます。身体全体の機能を底上げすることで、衰弱性遅漏の改善をサポートします。市販もされていますが、体質に合ったものを選ぶためにも、一度専門医にご相談ください。
心因性遅漏の方向け
治療法⑦:カウンセリング
妊活のプレッシャーや過去のトラウマなど、心理的なストレスが原因の場合は、専門家によるカウンセリングが非常に有効です。医師やカウンセラーと対話し、ストレスの根源を探ることで、ご自身では気づかなかった問題の解決の糸口が見つかることがあります。必要であれば、パートナーと一緒にカウンセリングを受けることも、相互理解を深め、プレッシャーを軽減するために効果的です。
まとめ - 院長から皆様へ -
遅漏は、その原因が多岐にわたるため、画一的な治療法では改善が難しい症状です。大切なのは、ご自身のタイプを見極め、適切なアプローチを根気強く続けることです。
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鈍麻性遅漏:まずは日々のマスターベーション習慣の見直しから。
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衰弱性遅漏:生活習慣の改善と共に、ED治療薬や漢方薬の活用を。
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心因性遅漏:一人で抱え込まず、専門家との対話で心の負担を軽くすること。
遅漏を克服することで、ご自身の自信を取り戻すだけでなく、パートナーとの関係がより良好となることをお祈り申し上げます。
